甲子園の怪

一昨日のMリーグについての記事が普段の30倍くらいのPV行っててちょっとビビってます。かつまたです。

いや、話題が違うだけであんなにPV数変わるんですね。マジでビックリしました。Mリーグへの注目度が高いということでもあるんでしょうか。

 

さて、一方今回はあまりPV数の伸びなさそうな話題です。そう、阪神タイガースについてですね。

 

オールスター明け、後半戦最初の3連戦は本拠地甲子園に宿敵読売ジャイアンツを迎えての試合でした。

 

しかし結果は3連敗。序盤で先行され、終盤にダメ押しをくらい、追い上げも届かず負けという典型的な負け試合が続きました。

 

今年の阪神はとにかく甲子園で勝てません。

チラッと今調べてみたところ、ここまでの甲子園での成績は、

17カード51試合(うち中止6試合)

17勝27敗1分 カード勝ち越し数5

……いや、勝ってないとは思ってましたが、こうして数字で見ると酷いですね。2/3以上のカードで負け越し、本拠地で借金を10も作っています。

そして昨日までの3連敗で甲子園での同一カード3連敗は今季すでに4度目。これまでの最多は暗黒時代ど真ん中の1995年の5度。完全に射程圏内に捉えています。

 

この悲惨な成績を受けて、あのデイリースポーツの見出しが「甲子園の怪」になってました。W杯の時にはコロンビアへの勝利が1面を飾ったようですし、デイリースポーツさんも最近ちょっと阪神から心が離れているようです。さみしい。

 

ではなぜ勝てないのか?

色々と要因はあると思いますが、大きな理由としてはやはりレギュラーを固定できていないことが挙げられると思います。

 

野球というのは基本的に数人がかりで点を取るゲームです。本塁打なら1人で点が取れますが、所詮1点だけ。2ラン、3ランとなるためにはやっぱり前の打者が塁に出なくてはいけません。それも3試合に1本打てば本塁打王、というくらいの確率です。ましてや広い甲子園球場です。本塁打でガンガン点を取る、なんて作戦はなかなかとれません。

そこで大事になるのが打線の組み方なわけですね。塁に出る役割、走者を進める役割、チャンスを広げる役割、走者を返す役割。打率や選手の個性、足の速さ、長打力と確実性、色んなことを考えながら役割を与え、パズルのように組み立てて打順を組みます。そしてレギュラーの選手たちは、与えられた役割に従ってプレーをするわけです。

 

しかし、レギュラーが固定できない場合はどうなるかというと、その日ごとに点の取り方を考え、別々の作戦を用いたり、別々の役割を選手に求めたりすることになります。

こうなるとなかなか一定の成績を残すのも難しくなります。その日ごと、その場面ごとで全く別の役割を果たす必要があるわけですから。さっきはチャンスメークが仕事だったけど今回はランナーを返す役割、そして明日は小技でチャンスを広げる_______といったように。

サッカーでいえばFW、MF、DF、GKをランダムで割り当てられるみたいな感じですかね。こう書くとメチャクチャさ加減が伝わると思います。

 

もちろん、野球はサッカーほど役割がハッキリ分かれているわけではないですし、ヒットが打てればそれが一番なのはどの打順でも同じなんですが。

それでも、ヒットは打てて3割。そうなるとやはり、ヒットを打てなくても果たす役割というのが決まっていたほうがやりやすいわけです。

粘って四球を取りにいくのか。バントなどでゴロを転がしてランナーを進めるのか。後のチャンスでの布石になるようなスイングをしておくのか。

こういった役割をはっきりさせられない、というのがレギュラーを固定できないことの大きな問題です。

 

さらに阪神の場合は屋外球場、それも土と天然芝の甲子園が本拠地なので、レギュラーが固定されない影響はさらに大きくなります。

人工芝やドームの球場に比べて、土と天然芝の甲子園では打球が変化しやすいのです。前日の天気によってグラウンドの硬さなどのコンディションも変わりますし、試合中もどんどん凸凹が増えます。甲子園には浜風が吹いていますからフライにも要注意です。またこの時期は明るさが大きく変化する時間帯に試合をしますから、その点も大きな影響があるでしょう。

こうした影響はボールを捕る選手に留まりません。守備にはリズムがありますから、捕球が乱れれば送球が乱れます。すると、それを受けた選手の次のプレーも乱れ……というふうに、どんどん広がっていきます。セカンドやショートの選手には顕著でしょう。

そして、守備でのストレスは打撃にも影響を及ぼします。捕手の打率が比較的低い傾向にあるのは、それだけ守備の負担が大きいからです。阪神で言えば、原口選手。代打時は.480という驚異的な打率ですが、スタメンマスクをかぶると.250前後となります。それだけ、やはり守備の負担が打撃に及ぼす影響は大きいのです。

もちろん、阪神の選手は普段から甲子園で練習していると思いますが、試合の打球やスタンドの景色などはやはり試合に出ていないと見慣れないものでしょう。 

 

金本監督の頻繁に選手を入れ替える采配には以前の記事で批判をしましたが、これはもちろん選手の問題でもあります。

 

期待に応える活躍ができていない、与えられた役割を果たしきれていない、というのは選手の力不足による部分が少なからずあるでしょう。

 

選手たちには監督の、そしてファンの応援に応える活躍を期待しています。そして選手たちが奮起した時、金本監督の真価が問われると思います。

 

強い阪神タイガースが甲子園で戦う姿を、ファンは心待ちにしています。

 

〜P.S.〜

僕は坂本誠志郎選手と高山俊選手の明治同期コンビに期待してます。大学の先輩、糸原選手の活躍に続いて欲しいですね。